遺伝子組み換え作物は、環境生態系に悪影響を及ぼす

遺伝子組み換え作物は、生態系に悪影響を及ぼすことも懸念されています。

遺伝子組み換え作物の中で、除草剤耐性作物についで採用されているのが害虫抵抗作物です。文字通り、蛾などの害虫に対して強い抵抗性を持つ作物ですが、その飛散した花粉によって原種と交配することが考えられます。そして交配することで害虫抵抗性がその原種に移行すれば、それを食べた蝶などの昆虫は死んでしまいます。

アメリカ・コーネル大学の研究によれば、害虫抵抗性トウモロコシの花粉をかけたトウワタ(南米原産)の葉でオオカバマダラという蝶の幼虫を育てた処、四日間で半数が死んでしまったと報告されています。このように昆虫に被害を与え、生物の多様性が失われて生態系を乱す危険性があり得るのです。

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■緑の革命、化学肥料や農薬の多用によって土地が劣化

発展途上国では、過去に品種改良された新作物によって痛手を被った経験があります。「緑の革命」です。

アメリカのアグリビジネスが小麦やトウモロコシの多収穫品種を開発し、南米やアジアの途上国に普及させました。しかし、一時期は収穫量が増えたのですが、作物の単作と化学肥料や農薬の多用によって土地が劣化し、生産が頭打ちとなりました。そして結果的には、農業機械や灌漑設備などの維持費用がかさんで、多大な負担を強いられることとなったのです。

遺伝子組み換え作物は、緑の革命の二の舞を招く可能性が非常に高いのです。遺伝子組み換え作物の種子は、在来種よりも価格が高くなっています。開発研究費などのコストが上乗せされるため、除草剤耐性の大豆の場合は、在来種よりも二割ほど高いのです。

また、除草剤耐性作物は同じ大豆でも品種によって耐性が違うので、その品種にあわせて除草剤を買わなければなりません。遺伝子組み換え作物を栽培するには、在来種よりも元手がかかるわけで、途上国の農民にとっては大きな経済的負担となります。

すでにアメリカのバイオ企業が遺伝子組み替え作物の収量増加を盛んにPRし、耐性作物の種子と除草剤をセットとして売り込み始めています。途上国に遺伝子組み換え作物が広がれば、在来の品種や農法が消失し、土壌もまた汚染されることとなるでしょう。

アメリカのアグリビジネスは大きな利益を得るでしょうが、途上国は結局、緑の革命と同じような悲劇を繰り返すことになるでしょう。アメリカが途上国の食料を支配することになり、南北問題は激化することになるでしょう。

遺伝子組み換え作物は様々な問題を抱えており、人口増加による食料の需給悪化を解決する切り札としては全く期待できないのです。となると、動物性タンパク質の摂取の多い現代の食生活を見直し、食肉生産のための飼料用穀物の消費を抑える努力が必要なのではないでしょうか。

【出典】肉食が地球を滅ぼす 中村 三郎著

遺伝子組み換え作物にはF1という一代限りの作物もあります。F1の品種が在来種の中で栽培されれば、F1の飛散した花粉によって在来種と交配することが考えられます。在来種がF1に汚染され一代限りの作物となってしまうのです。

世界の穀物支配をもくろむ穀物メジャーにとっては、正にもくろみ通りでしょうが、私たちにとっては死活問題です。農林水産省はしっかりとして欲しいものです。アメリカの横暴に歯止めをかけることを願って止みません。

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