クロレラは消費者苦情の最高峰、原価は1/8のものも…

日本を代表する定番の健康食品と言っても良いクロレラ。誰しも一度くらいはあの緑色の錠剤を飲んだ経験があると思われます。クロレラはギリシア語の「クロロス」(緑)とラテン語の「エラ」(小さい)が組み合わさった言葉で、淡水の緑藻植物の総称で、1,890年オランダの生物学者、バイリンクによって命名されました。

クロレラは他の植物の数十倍の光合成能力から繁殖力が極めて強く、タンパク質50%、炭水化物20%、葉緑素5%、その他にミネラル類、ビタミンA,B1,B2,B6,C、パントテン酸、葉酸、核酸など、豊富な栄養を含んでいることから、日本では1,950年代、未来の栄養源として繁殖、製品化が始まり国民食品として大ヒットしました。

数ある健康食品の中でも、老舗格なのがクロレラです。サントリー、小林製薬、山田養蜂場、サン・クロレラ、DHC、クロレラ工業、ファンケルなど群小も含め200社近い大手製薬・食品会社が、あの手この手の販売合戦を繰り広げています。よほど、企業にとっては利益の出る美味しい食品なのでしょう。

当初は、NASA(米国航空宇宙局)が宇宙開発に利用する計画を進めていたこともあって、宇宙食とも言われていましたが、良質のタンパク質を含む健康食品として広く知られるようになりました。「宝島 特集コワ~い健康食品、精力剤からダイエットサプリまで」、食品のカラクリ 別冊宝島編集部編よりご紹介します。

■原価は1/8のものも…

クロレラは緑藻の一種で、ビタミンCやミネラルを豊富に含んだ淡水性の植物性プランクトンです。殆どのメーカーが台湾などからビニール袋入りのクロレラ粉末を輸入し、何日間か倉庫に保管して、錠剤などに加工し、栄養補助食品として販売しています。

価格は業者によって大きな差が有り、1日3粒、30日分の錠剤で定価は700円~2,300円といったところでしょうか。クロレラも扱っているある業者によると、30日分300粒のクロレラ錠剤の原価は300円程度ということなので、8倍近い価格で販売している業者もある訳です。

勿論業者によって、クロレラ粉末とは別にクロレラエキスを加え付加価値をつけたり、やたらと豪華な瓶詰包装をしたり、テレビCMをさかんに流しているところもあり、それぞれの経費が上乗せされているので、製品価格に差が出るのは当然ですが、原価と8倍近くも差があると知ったら、怒りたくなる方も出てくるでしょう。

■クロレラの健康効果の化学的根拠は希薄

一般的には、

・免疫機能を向上させる
・メタボリックリック対策に有効
・コレステロールの吸収抑制

などの効果があると信じられているクロレラですが、それを裏付ける科学的根拠は今の処ありません。

よく、クロレラだけに含まれる「クロレラ・グロス・ファクター」(C.G.F)というアミノ酸の複合体を大々的に宣伝しているケースが見られますが、これは乳酸菌の細胞分裂を促進する効果が認められたという実験結果を、いかにも人間の健康に効果があると見せかけたものが多い。

■光過敏症という健康被害が出たことがある

健康食品であるクロレラで、健康被害が過去に出ています。粉末の保管時や粉末から錠剤に加工する際などに、水分が加わるとクロレラの葉緑素がフェオフォルバイドという物質に変化します。フェオフォルバイドは春先のアワビなどに含まれていて、これを食べると「光過敏症」という皮膚炎を起こします。このため、昔から「春先のアワビは食べるな」どと言われます。

クロレラの場合もフェオフォルバイドが生じたことから、紫外線が当たると皮膚炎がひどくなる「光過敏症」の被害が出たのです

■苦情件数も健康食品の中で最上位

かつて、国民全体が栄養不足だった時代に支持を受けた食品ですが、タンパク質や鉄分を補充する意味合いが薄れた現代においては、それほど健康食品として有難がる根拠はないといえるでしょう。未だに大きな市場を持つ一方で、各地の消費者センターに寄せられるトラブル、苦情件数も健康食品の中で最上位です。納得のいかないままに購入することは控えたいものです。

また、クロレラに含まれるビタミンKは、ワルファリンなどの抗血液凝固剤の作用を減弱させる可能性があり、医薬品との併用には注意が必要です。

【出典】宝島 特集コワ~い健康食品、精力剤からダイエットサプリまで
食品のカラクリ 別冊宝島編集部編

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