7. 「糖質を制限してケトン体エネルギーへ」の問題点

間違った糖質制限食によるケトン体エネルギー産生は非常に危険な行為であす。糖質で悪いのは、「ブドウ糖」「果糖」「ショ糖(ブドウ糖+果糖)」の単純炭水化物の直接摂取。複合炭水化物ならプラス。動物性高タンパク食による糖質制限は、アミンが発生し、抗酸化な栄養素は全くなく、百害あって一利なしです。

【目次】
① 単純炭水化物と複合炭水化物
② 糖質制限の問題点
③ スカベンジャー
④ 脂肪、タンパク質によるケトン体食での失敗例
⑤ ケトン体食=動物性タンパク食ではない

鶴見隆史のご著書、食物療法大全「食」による病気治しの考証 より引用ご紹介します。

① 単純炭水化物と複合炭水化物

最近やたらと目にし、とても気になるのは、「糖質を制限し、ケトン体エネルギーにしよう」ということを趣旨として書かれた書籍です。これらの書籍に共通する骨子「糖質は基本的に何でも悪い」「タンパク質や脂質を摂る方が良い」という主張には驚きを通してあきれ果てます。糖質が悪いはずがありません。

糖質で問題なのは「単純炭水化物」です。「ブドウ糖」「果糖」「ショ糖(ブドウ糖+果糖)」の3つが単純炭水化物といわれる分子の小さい炭水化物です。これらを直接摂取すると、吸収が早過ぎていきなり血糖が180mg/dLにも上昇するからです。この単純炭水化物は高GI食であり、高GI食の過食では低血糖が起こるからです。

しかし、だからといって炭水化物=悪い栄養素ではありません。「複合炭水化物」ならむしろ長所が沢山あります。複合炭水化物には次のようなプラス面があります。

・糖がゆっくりと吸収される(当然ブドウ糖となって吸収されますが、その際ゆっくりと少しずつ吸収されます。このことが極めて重要な性質なのです。ブドウ糖単独ではいきなり吸収されるから問題なのです)

・抗酸化なファイトケミカルやビタミン、ミネラルが多い
・毒素物質の吸着と排泄の効果
・短鎖脂肪酸の生成

・善玉菌のエサとなり善玉菌の作用を促進(ビタミンB群の合成、酵素の産生、免疫強化)

複合炭水化物を食すと、ゆっくりと消化されたブドウ糖は小出しにゆっくりと吸収されます。ブドウ糖や果糖が悪いのでなく、単独で摂るから悪い栄養素になるのです。この5つのプラス面を見るだけで、いかに複合炭水化物が必要な物質であるかがわかります。


② 糖質制限の問題点

今、糖質制限食(=脂肪食中心)にしようとしている人がとても多いようです。間違った内容の書籍による影響ですが、ファスティングやハーフ・ファスティングでケトン体をつくり出すパターンならよいのですが、そうでない糖質制限食は大変危険です。

最も問題なのは、糖質制限食がじたやり方による「ケトン体療法」です。ケトン体食を薦める医師が指導する「脂肪+タンパク質オンリー食」の内容を知って、私(鶴見隆史先生)は唖然としました。肉とかハム、ベーコン、卵だらけだったからです。つまり、動物性タンパク質主体の食事です。ここには抗酸化な栄養素は全く存在しません。

③ スカベンジャー

抗酸化な栄養素、すなわちファイトケミカルやビタミン、ミネラル、酵素が入らないとなると、一体活性酸素はどうやって除去しようというのでしょうか?病気は最終的に活性酸素によって生じていきます。したがって、どのような方法であれ、活性酸素を退治していくことが重要になります。

食事で活性酸素を除去する物質は「スカベンジャー」と言われる物質を含む食物しかありません。スカベンジャーとは「お掃除人」のような物質であり、ファイトケミカルやビタミン、ミネラル、酵素がそれに相当します。

そして、スカベンジャー物質はフルーツや生野菜に最も多く存在します。これらを食べずして活性酸素を退治することは至難の業というものです。この二つの食物ほどではありませんが、雑穀入り玄米ご飯、漬物、キムチ、納豆、海藻、芋、煮豆といった食品もスカベンジャー効果をもたらすものです。

質のよいアミノ酸、ゆっくり吸収する糖質、良質な脂質、ビタミン、ミネラル、ファイトケミカルなどがバランスよく存在しています。これらの多くは複合炭水化物であり、人間には大変プラスとなるものです。

「複合炭水化物にもブドウ糖や果糖があるじゃないか」という反論もあるでしょう。確かにそうですが、複合した形で食せば一気に吸収はされません。血糖も急上昇しません。ゆっくりと急襲されれば悪い状態にはならないのです。すなわち病気になることもない。それ故、複合炭水化物に存在するブドウ糖や果糖はむしろ人体に有利に働くのです。

④ 脂肪、タンパク質によるケトン体食での失敗例

ケトン体食の元になるということで、「脂肪食+タンパク食」でガンを治そうとして失敗した人は相当多いのではないかと思います。

というのは、私(鶴見隆史先生)のクリニックに来る患者さんから、「糖質制限食」「ケトン体食」の相談件数が多いことを考えると、世間的にはかなりの数に上るだろうと思います。では、「脂肪食+タンパク食」によって、実際にはどのような結果になっているのでしょうか。


.アミン類が発生し、抗酸化な栄養素は全くなし。たまには差し支えないでしょうが…

【乳ガン手術後の患者(48歳、女性)の例】
右乳ガンを手術(切除)した後、ケトン体エネルギーがよいと聞き、「脂肪食+タンパク食」の食生活に切り替えました。食事は、肉や加工肉、卵、ココナッツオイルなど。

ココナッツオイルは決して悪い食品ではありませんが、他のものが悪い。このような高タンパクの食事では、腸の腐敗と腸内でのアンモニア生成は免れない。この方は「抗酸化なし」の食生活を続けた結果、1年半後に転移ガンが多発して私のクリニックを受診したのです。

【糖尿病患者(70歳、男性)の例】
この方も糖尿病はケトン体食で治ると、「高タンパク+脂肪」の食事を少量にして摂ることを医師に指導され実践してきました。摂取カロリーは控え目にし、1日に1,200~1,300kcalぐらいでした。その結果、確かに血糖値は下がりました。200mg/dL以上だった血糖値は80mg/dLにまで下りました。ところが、違う面でいくつも困ることが出てきました。

ケトン体食療法2年目に入って次の障害が出てきたのです。

・眼の障害(白内障と網膜症)
・腎不全(クレアチンが少しずつ上昇)
・大腸ガン
・足のしびれと椎間板ヘルニア

こういった症状が次々に現れました。抗酸化物質(生野菜やフルーツ)を食さない生活だから、このような症状を多発するのは当然の帰結です。この患者さんはその後、他の医療機関で透析を始めることになりました。

⑤ ケトン体食=動物性タンパク食ではない

結局、炭水化物を排除して動物性タンパクのみのケトン体エネルギーで生きるのは大変危険な行為です。人間が体を悪くする食物は、むしろ動物性タンパクです。特に肉と卵白、牛乳、チーズの害は恐ろしいものです。

ケトン体が出るからと言って、このような動物性タンパクオンリー食では、短期間で様々な疾病が出現してしまい、死に直結するとても危険なことだと言わざるを得ません。

【出典】食物療法大全「食」による病気治しの考証 鶴見隆史著

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