■過剰なタンパク質は大量の毒素を作り出す

新谷食事健康法では、穀物と野菜中心の食事をし、肉、魚、乳製品、卵などの動物性の食物はなるべく少なく(全体の15%以下)するように指導しています。動物食に含まれるタンパク質は、現在の栄養学では理想的なものが多く、腸内でアミノ酸に分解・吸収され、血や肉になるとされています。

しかし、どんなによい食物であっても必要以上にとり過ぎれば、体にとっては毒になります。胃腸で分解・吸収が完全にしきれず、腸内で腐敗し、大量の毒素を作り出してしまいます。その毒素の主なものは、硫化水素、インドール、メタンガス、アンモニア、ヒスタミン、ニトロソアミンなどですが、それに加えてフリーラジカルも作られます。そして、こうした毒素を解毒するために腸内や肝臓で大量のエンザイムが消費されるのです。



タンパク質の必要量は、体重1kg当り約1g、つまり体重60kgの人なら、一日60gで充分ということです。しかし実際には、日本人のタンパク質の一日当りの摂取量は成人男子で84.9gもあるというデータもあります。これはアメリカ人の摂取量に匹敵する数字ですから、明らかな過剰摂取と言えます。

■血液の弱アルカリ化のため体内のカルシウムが引き出される

過剰に摂取したタンパク質は、最終的に尿として排泄されることになるのですが、それまでの間に体に色々な被害をもたらします。まず無駄なタンパク質は消化エンザイムによってアミノ酸に分解され、アミノ酸は肝臓でさらに分解されて血液に流れ込みます。すると血液が酸性に傾くので、それを中和するために骨や歯から多量のカルシウムが引き出されるのです。

そうしてカルシウムと酸化した血液が腎臓で濾過され、余分なタンパク質は、体から多量の水分とカルシウムを道連れに排出されます。そして、この間にも大量のエンザイムが消費されることは言うまでもありません。

■食物繊維がないので腸内環境は悪化

こうしたタンパク質の過剰摂取が肉(肉の加工品を含む)や牛乳(乳製品を含む)で行なわれた場合の健康被害は、さらに深刻です。何故なら、こうした動物食に「食物繊維」が含まれていないことも、腸相の悪化に拍車を駆けるからです。

食物繊維とは、人間の消化エンザイムで分解することの出来ない難消化物のことで、代表的なものとしては、植物に含まれる「セルロース」や「ペクチン」、カニやエビの殻に含まれる「キチン」などがあります。

肉を沢山食べて食物繊維が不足すると、便の量が減り、便秘や停滞便の原因となります。さらにそうした状態を放っておくと「憩室」と呼ばれるポケットのようなものが腸壁に出来、そこに毒素や停滞便が溜まり、ポリープやガンの原因となります。

動物性タンパク質ということで、肉の問題点ばかりを指摘してきましたが、もう一つの動物性タンパク質である「魚」であっても、過剰摂取が健康被害をもたらすのは同じです。

■魚中心なら憩室は出来ない

ただし、私の臨床データによると、「肉食腸」と「魚食腸」には決定的な違いが一つあります。それは、魚中心の食事をしている人は、どんなに腸相が悪くても、「憩室」が出来ることはないということです。

いわゆる「医学書」と呼ばれるものには、肉であれ魚であれ乳製品であれ、食物繊維のないものを多く摂取していると憩室が出来るとされているのですが、私の臨床経験では、肉は殆ど食べないが魚は沢山食べているという人の腸は、痙攣や腸壁の固さは見られるものの、憩室までは出来ていないのです。


・とり過ぎはダメだけど、お肉よりもまだ魚の方がまし…

■人間より体温の高い動物の肉は血を汚す

こうした腸相の違いはどこからくるのでしょう。これは肉と魚、それぞれがもつ「脂肪」の質の違いではないかと、私は考えています。肉と魚の脂肪の違い、それは飽和脂肪酸は体に悪く、不飽和脂肪酸はコレステロールを下げるなど体にいいと言われているものですが、もっと解りやすい考え方があります。

それは人間の体温を基準にして、それよりも体温の高い動物の脂は悪く、体温の低い動物の脂はよいという考え方です。牛や豚や鳥の体温は、人間より高い38.5~40℃、鶏の体温はされよりもさらに高い41.5℃です。こうした人間より高い体温の動物の脂は、その温度でもっとも安定な状態にあるということです。つまり、それよりも体温の低い人間の体内に入ったときにはベタッと固まってしまう。

この脂のベタツキが、血液をドロドロにしてしまうのです。ドロドロになった血液は、流れが悪くなり血管の中で停滞したり詰まったりします。これを私は「血が汚れる」と称しています。

一方魚は変温動物ですから、通常の状態であれば、人間より遥かに低い体温をしています。その脂が体温の高い人間の体内に入るとどうなるでしょう。フライパンなどで脂を熱すると、溶けてサラサラの液体になります。それと同じことが起こるということです。魚がもつ脂が血液をサラサラにし、悪玉コレステロールを下げると言われているのはこのためです。

ですから、同じ動物性タンパク質でも、「肉」でとるよりも「魚」でとった方が、人間の体にははるかによいのです。

【出典】「病気にならない生き方」新谷 弘美著

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